セムアミですが。





無限に続いている異様な色の空は
朝、違うものを映していた。
岩山にぽっかり空いた洞窟の中からそれを見て、思わず「あっ」と声を上げた。
見たことのない服。
見たことのない優しいまなざし。
見たことのない、優しい愛を帯びた声。

自分よりもずっとずっと大人の彼は、これもまた自分よりも少し年上の女の子に優しく語り掛ける。

いつしか。

手を伸ばそうとして、それを止めた。


知らない感情がこみ上げて。


目から溢れた涙が止まらない。


自分の居る荒廃した世界と、あちらの暖かい世界。



嗚呼、異なる世界への憧れが体中を支配する。




「貴方は誰なんだ?」




声に応える事はない。




俺は、「友」がくるまでずっと、そこでしゃがんで涙を流した。



「どうしたらそこにいけるんだ?」




君に会いにいくから。
そしたら、同じように笑ってください。

俺もそしたら、笑える。
安らぎの笑顔を知らない俺も、きっとそんな風に、穏やかに笑える。



空の映像は消えた。




次に見られる日を待ち望むよりも先に。



浮かんだ小さな小さな疑問は、いずれ、大きな成果を挙げ。




その笑顔と再会するまでの時間。
自分は楽しい夢ばかりを見た。











end



セムアミって、やっぱりいいよねぇ…って思ったからかいてみた。
まあ相変わらず絵はどうもおかしいが(笑)